【命題】 「ハネツモ条件の時にチートイツのみをテンパイしたら、ドラ引きを待たずに即リーし、ツモって裏ドラに賭けたほうが有利」 【仮定】 この命題は一般化されすぎている為、考察するにあたって何点か仮定する必要がある。 @場況(河に見えている関連牌・ドラ表示牌・他家の動向)については考えず、テンパイ時には待ち牌が全て残っているものとする。 命題に明記されていない以上、特殊な場況について考慮しだすと収拾がつかなくなると判断した。 A自分を北家とし、途中流局をないものとする。 命題には順目の指定がないため、特定の順目毎に考えてみる。無論地和・ダブリーや一発・ハイテイ等の偶然役は考えない。 B手代わりを待つ場合と待たなかった場合の成功する確率が等しい時は、手代わりを待たない場合を有利とする。 計算上流局までツモれるものとして計算をするが、実際にはリーチをかけたら他家が手を回す必要があるのに比べ、かけなかった場合には相手が自由に手を進めてアガってしまう確率が高い。 万一両方の確率が一致してしまった場合に差別化を図る措置である。 【参照】 ケースA(以下A):手代わりを待たないで即リーする場合 ケースB(以下B):ドラ引きの手代わりを待つ場合 式C(以下C):1回のツモで特定の牌を引く確率を求める式 一回で引く確率 =(特定の牌の数)/{(牌の総数)−(自分の手牌)−(河に出ている牌の数)} また仮定@より、牌の総数・自分の手牌は一定、河に出ている牌の数については考えないため 一回で引く確率 =(特定の牌の数)/(136)−(13) =(特定の牌の数)/123 式D:ツモn回で特定の牌を引く確率を求める式(nは 0<n≦18を満たす整数) ツモn回で特定の牌を引く確率は引かない確率の余事象なので (ツモn回で特定の牌を引く確率)=1−(一回のツモで特定の牌を引かない確率)^n 値E:裏ドラの乗る確率(ドラ表示牌が何枚見えているかを考えない時) 裏ドラの乗る確率=(手牌の対子数)/(牌の種類) 手牌の対子数・牌の種類 は一定なので 裏ドラの乗る確率=7/34 ≒0.21/1 ≒21% ※考察中に出てくるPとはパーミテーションという数学記号のことである。 nPr=n!/(n−r)! 【考察】 初めに考え方を述べる。 Aが成功する条件…ツモアガリ(以下ツモアガリAとする)→裏ドラが乗る Bが成功する条件…ドラツモ→ツモアガリ(以下ツモアガリBとする) これを具体的に考えると Aが成功する確率=(ツモアガリAの確率)×(裏ドラがのる確率) Bが成功する確率=(一枚目のドラをツモる確率)×(二枚目のドラをツモる確率)=(ドラを二回ツモる確率) これと【参照】部分をもとにして計算する。 最初に18回ツモれるとした時の計算をしてみる。(1順目テンパイ) まずはツモアガリAの確率を考える。 ツモアガリAの確率はC・Dより (ツモアガリAの確率)=1−(ツモれない確率) ={1−(123−3)P18/123P18}/1 =(1−120P18/123P18)/1 =(1−120×119×…×104×103/123×112×…×107×106)/1 ≒(1−0.62)/1 ≒0.38/1 ≒0.38% 次に裏ドラがのる確率を考える。 これはEより 0.21/1とわかる。 これらをAが成功する確率の式に代入すると Aが成功する確率=(ツモアガリAの確率)×(裏ドラがのる確率) ≒0.38/1×0.21/1 ≒0.08 これによりAが成功する確率が分かった。 今度はBが成功する確率を考える。 Bが成功する確率=(ドラを二回ツモる確率) (ドラを二回ツモる確率)=1−(ドラを0回ツモる確率)−(ドラを1回ツモる確率) となるのでドラを0回ツモる(一回もツモれない確率)と1回ツモる確率を考える。 ドラを0回ツモる確率=1−(123−4)P18/123P18 =(1−119P18/123P18)/1 =(1−119×118×…×103×102/123×112×…×107×106)/1 ≒(1−0.53)/1 ≒0.47/1 ドラを1回ツモる確率=1−4×123P17×18/123P18 =1−72×123P17/123P18 ≒1−0..58 ≒0.42 となる。上の二つの解を (ドラを二回ツモる確率)=1−(ドラを0回ツモる確率)−(ドラを1回ツモる確率) に代入すると (ドラを二回ツモる確率)=1−0.47−0.42 =1−0.89 =0.11 ≒10% となる。 AとBの成功する確率を比較すると Aの成功する確率≒% Bの成功する確率≒10% となり、1順目にテンパイしている時はB、つまり手代わりを待つほうが有利となる。 では何順目以降になるとA(即リー)が有利となるのか。それを検証したいと思う。 計算式方法は上に書いたものと同じになるので(nに代入する値が変わるだけ)、その結果のみを下に記す。 3順目の場合 Aが成功する確率=6.832% Bが成功する確率=7.239% 4順目の場合 Aが成功する確率≒6.431% Bが成功する確率≒6.347% となり、4順目で初めて優位性が逆転してAが有利となった。これ以降は手代わりを待つ必要があるBと必要のないAとの差が広がり続ける。 よって 3順目までだったら手変わりを待ち、それ以降だったら即リーするのが有利となる。